株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

No.33 言葉探しの旅

Posted on 6月 - 20 - 2012

言葉は時代と共に変化します。
「全然」という副詞が否定文だけではなく、肯定文の中で使っても
かまわないってことになってしまっているのも、
そんな言葉の変容の典型です。
意味の取り違いや語感や誰かの始めた言葉遊びなんかが基となって、
言葉本来の意味と違って使われ出し、流行り言葉のように世間に伝染し、
いつのまにか社会に抗体ができて、辞書に新しい意味として加わる。
こうした様(さま)を、言葉の進化と呼ぶのか、
はたまた荒廃と呼ぶかは人それぞれですが、
誰も止められない変化であることは事実のようです。

とは言え、自由を謳歌する言葉文化にどっぷりはまってしまうわけにも
行かないのがマニュアル原稿の世界です。
誰でも同じ理解ができる的確で明快な文章表現を求めようとすればするほど、
どの言葉を使うべきか、考え悩んでしまうことがよくあります。
的確と書くべきか、正確か、確実か、あえて、間違いなく・・・か。
誠実と記すべきか、忠実か、実直か、はたまた、真心を込めて・・・か。

どっちでもいいんじゃない、おおかた意味は同じだから・・・
とは言われても、言葉の意味や同類語とのニュアンスの違い、
漢字の持つ視覚的なイメージや声にしたときの語感なんかにも
こだわってしまい、迷いあぐねること日常茶飯事です。
国語力の欠如と言われればそれまでですが(苦笑)、
それでもあえて、そのあたりのことにこだわって言葉探しと
文章を吟味していくことも重要なのではないかと、
自分を慰めたりもします。

言葉が持ちあわせている辞書的な意味だけでなく、
あえてその言葉にしたという意図や、
活字というフォルムが漂わす気配のようなものなんかも、
言葉選びの基準にしながら、伝えたい人の意図を代弁する
最も的確な言葉を、純米吟醸酒をつくるように
フィッティングしていきたいと思います。

2012.06.20

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