株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

「マニュアル」は仕組みである

Posted on 12月 - 14 - 2017

「マニュアルを作るって、大変でしょ?」
よくこんな質問を受けるが、まさにその通り、パワーがかかる。
「作成」した経験がある人なら、皆一様にうなずくことだと思う。
「活用」もしかり。ただ、「作成」のパワーとは異質なものである。
「作成」は自分が頑張れば何とかなるが、「活用」はそうはいかない。
職場の人間や関係者の協力なしには、一歩たりとも前に進まない。
何とか使ってもらおうと、周囲に働きかける、非協力的な人をなだめすかす。
「作成」は完成時期という期限があったが、「活用」にはない。
ある意味、どこまでも続く。
だから、「作成していた方が、よっぽど楽だ!」なんて声もあがる。

さて、「改訂」である。
「活用」されていない場合は、もちろん「改訂」などない。
使われていないのは「マニュアル」のせいだと決めつけて、
「新規作成」に取り組むのがほとんどである。
この場合、現マニュアルが使われていない原因の分析から始める。
そして、不備なところを見直す。
「今度のマニュアルは、イラストをたくさん入れて見やすくします」
などといったことに往々にしてなってしまう。
言葉は悪いが、小手先の改良である。
出来上がった「新マニュアル」を、
「あとは現場でしっかり活用してください」と配付して終わり。
これでは、また同じことが繰り返されてしまう。

では、マニュアルをしっかり「活用」しているところはどうか。
これが面白いことに、活用=改訂にはならない。
全部がそうだとは言わないが、「活用」で力尽きて
「改訂」にまでたどり着けないところが多いのだ。
「1年ぐらい経ちましたので、そろそろ改訂してはどうですか?」
と声をかけても、あまり色よい返事が返ってこない。
「改訂」をするとなると、またあの「作成」をしなければならない。
「改訂版」でもまた「活用」をしなければならない。
「もうウンザリだ!」という思いが透けて見える。正直に顔に出てしまう。
つまるところ、「作りっぱなし」「1回使っただけで終了」
ということになってしまう。
こうして、なし崩し的に「マニュアル」は、職場の戸棚に鎮座することになる。

「改訂」は、活用して気づいた点や
修正・変更・追加事項などを収集することから始まる。
それらを評価して、「マニュアル」に入れるかどうかを検討する。
そして、「改訂版」の作成に取りかかる。
最初の「作成」に比べてパワーが少ないが、「収集」という面倒な作業が加わる。
アンケートを取ったり、それをまとめたりと色々忙しい。
周囲の期待も盛り上がりも、あまりない。最初の時は協力的だった上司にも
「改訂版くらい、ちょっとやってすぐ出せ!」と投げやりな態度をとられてしまう。
かくして、アリバイ的な「改訂」で終わってしまうことになる。
これが続くと、「戸棚一直線」の道をたどる。

なぜ、こうしたことが起こるのか。
それは、仕組みができていないことが原因である。
マニュアル導入当初、
「作成・活用・改訂のサイクルを回し続けることが重要」と
口を酸っぱくして力説してきたが、
その理解と続ける気力・体力が欠乏してきたということだろう。
もちろん、これは一個人の責任に帰する話ではない。
会社としての取り組み姿勢、覚悟の問題である。

「作成」や「活用」にパワーがかかる云々ではなく、
「作成・活用・改訂のサイクルを回す」ことにパワーがかかる、
否、パワーをかけることが何より重要なことである。
そして、この「仕組み」が定着した時、驚くほどの成果がもたらされる。
それは自信をもって言うことができる。

これからも、「回せ、回せ!」と口から泡を飛ばして熱弁をふるいたい。

2017.12.15<No.228>