株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

閑話(昔話は1回で)

Posted on 9月 - 29 - 2016

友人と食事をしていたら言われた。

「以前お世話になった人と食事をしたんだけど、昔話ばかりだった……」
「それはそれで楽しいんじゃないの?」とマニュアル屋さん。
「1回ぐらいならいいけど、毎回となるとね……」
「なるほど、疲れるわけだ」
「そう。疲れる。話が続かなくなる……」

友人の話では、その人は定年退職をしてぶらぶらしている、
つまり、暇だからよくお誘いの電話がかかってくるという。
無下に断るわけにもいかないし、困っているとのこと。
いい身分だな、と半分やっかみのマニュアル屋さん。
こちとら死ぬまで働かなきゃダメだというのに……。
それはともかく、友人の言わんとするところは、
昔話、つまり、過去の話をするのは1回でよい。
過去形だけだと、疲れるし、つまらない、ということだろう。

「今、何をしているんですか?」
「いや、のんびり毎日過ごしているよ」
「そうですか……」となる。

「あの時、こうだったよなぁー」ばかりで「今」がなければ、
話は終わってしまう。確かに、友人の気持ちもわかる。
定年退職者がすべてそうだとはもちろんない。
第2か第3の人生を、しっかり前を向いて歩いている人は
たくさんいることだろう。要は、心の持ち様だと思う。
「今」を真剣に生きている人であれば、
「会社」を辞めても、たぶん会話は続く。
友人もマニュアル屋さんも、現役で仕事をしている。
緊張感や危機感が蠢く真っ只中に身を置いている。
だから、そんな身としては「なつかしさ」だけでは物足りなくなる。
「1回で十分」という気持ちになる。
これは、心に余裕がない、ということなのだろうか。

マニュアル屋さんは、今は現役であるが、いずれ退職する。
そんな時、1回で飽きられるような人にはなりたくない。
「またお話を聞かせてください」と頼まれるような、
そんな元マニュアル屋さんでありたいと思う。
くれぐれも、1回でも会いたくない“もうろく頑固じじい”にだけは
なりたくない、 と切に願っている。

最近、ちょっと耳が遠くなって、
物忘れが多くなって……クワバラ、クワバラ……。

2016.09.29<No.199>