株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

閑 話(新しい日常)

Posted on 9月 - 24 - 2020

自宅近くのいつもの茶店で、この原稿を書いている。
これまでに、ここで何十本いや百本以上にはなるであろう原稿を書いてきた。
マニュアル屋さんが20年近くひいきにしている茶店である。
原稿にまつわる思い出も多い。そういう意味では、本当にお世話になってきた場所だ。

このなじみ深い場所が、今年に入って大きく様変わりした。
まず、喫煙席がなくなったのである。
この茶店は、1階が禁煙席、2階が喫煙席と分かれていたのだが、
それがすべて禁煙席になり、2階の片隅に「喫煙ルーム」ができた。
それも申し訳程度の広さしかない。

言うまでもなく、愛煙家に厳しい東京都の条例がこの4月に施行され、
喫煙ルーム以外での喫煙はすべからくアウトになった。
テーブルの上に灰皿、
つまり、タバコを吸いながら原稿を書くというスタイルができなくなったのである。
「それがどうした!」
「だから何だ!」
とツッコミを入れられそうだが、
スタイル、見た目のカッコのあり方は、実は創作には重要であると、
マニュアル屋さんは思っているのだ。
左手にタバコをはさみ、右手にペンというスタイルが、
幾多の迷作?を生み出したと言っても過言ではない。
それができなくなってしまった。
しかし、ついいつもの癖で、左手にタバコをはさむポーズをとってしまう。
長年親しんだ、身体に染みついた動作は、なかなか変えられないものだと思う。

もう一つは、言わずと知れた「コロナ対応」である。
3密を回避するために、テーブルやイスが3割以上片付けられてしまった。
そして、隣の席との間には、アクリル板が設置されている。
同じ空間なのに、以前より広く感じる。
これまでは席を移動する際に、隣の人のテーブルにぶつからないように注意したり、
話し声が耳に付いて、なかなか集中できなかったことも多々あった。
隣の人の貧乏ゆすりが気になって、思わず席替えをしたこともあった。
そんなことが、今や昔、の感がある。

異様なまでに、マスク姿で埋め尽くされている。
消毒液のボトルがこれ見よがしに鎮座している。
話し声も、心なしか静かである。
これが、2020年のいつもの茶店の景色になった。
これが新しい日常として、これから続いていく。
マニュアル屋さんは、この変化を素直に受け入れて、
これからもここで原稿を書いていこうと思っている。

そんなに大げさなことかと、自分で自分にツッコミを入れる。
ちなみに、50年近く吸っていたタバコをやめた。
何とかなるもの……である。

2020.09.24<No.288>