株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

郷に入っては郷に従う

Posted on 10月 - 12 - 2017

先日、フィンランド人の大学の先生の講演を聞く機会があった。
フィンランド人と日本人との価値観の違いについて、非常に興味深いお話をしてくれた。
よく言われるように、日本人は“本音と建て前”を使い分けるが、
あちらは常に“本音”。二面性は欠点だとのこと。
本音でやりあっていたらギクシャクしないかと心配するが、
この発想自体がまさに“日本人”ならではのことであるらしい。

以下、講演内容を抜粋してみる。

【日本人】           ⇔     【フィンランド人】
みんな仲良く          ⇔     苦手な人とは、無理に付き合わない
対等=同じように行動する  ⇔     対等=好きに選択する権利(それぞれが違って当たり前)
お客様は神様          ⇔     お客様と対等
「あるべき論」が多い    ⇔     「あるべき論」がない(管理されることが嫌い)
ルールが多い          ⇔     制約やルールがない
まとめたがる          ⇔     まとめない

などなど。本当に面白いお話だった。
マニュアル屋さんは指摘された日本人の価値観について、
「確かにそうだなぁ」とすべて納得してしまった。
良い悪いは別にして、お国が違えばこうも違うのかとあらためて思った次第。

ところで、気になったのは「ルールがない」「まとめない」ということである。
マニュアル屋さんは、言うまでもなく
会社(仕事)のルール=マニュアルを作ることを生業にしている。
「ルール」は、まとめなければ決められない。
だから、これまでたくさんの「ルール」を作り、“まとめて”きた。
フィンランド人から見れば、
典型的な日本人の価値観を醸成してきた一人ということになるだろう。

くだんの先生に、恐る恐る質問してみた。
「フィンランドには、マニュアルがありますか?」
先生曰く、
「ありませんねー」
予想していたとはいえ、ちょっとショック!
マニュアル屋さんがフィンランドに行けば、即失業である。

「マニュアルがある社会」と「マニュアルがない社会」

こういう対比を、恥ずかしながらこれまで一度もしてこなかった。
今あらためて問われても、即座に返答ができない。う~ん、である。

もしマニュアル屋さんを卒業したら、フィンランドに住むのもありかな、と思った。
郷に入っては郷に従え。
「マニュアルのない社会」にどっぷり浸かってみるのも面白いかもしれない。
フィンランドには生涯学習(いつでもやり直せる)という考え方があるらしいので、
「マニュアル屋」ではない何かを始めるのも、ちょっと刺激的である。

でも、今は……フィンランド人に何と言われようと、
これからもいっぱい「ルール」を作っていくんだー!
この「ルール」のおかげで助かっている人、喜んでいる人が、
この日本にはたくさんいることも事実。
だから、これからも頑張ろっと!

2017.10.12<No.224>