株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

自己の棚卸

Posted on 1月 - 25 - 2018

マニュアルづくりにおいて最初に取り組むことは、
現状の把握、つまり「仕事の棚卸」である。
どんな仕事をしているのか、仕事の全体を把握することから始まる。
一見簡単そうだが、これは思っている以上に時間がかかる。

まず、仕事の洗い出しをしてもらうのだが、
あらためてどんな仕事をしているのかを書き出してもらうと、
非常に大雑把なものか些事末梢的なものの両極端に分かれてしまう。
マニュアルづくりのメンバーは中堅やベテランの人が多いので、
日々当たり前に無意識にこなしている仕事について、
「仕事の棚卸をする」と突然問われても「ん?」と困惑するだけである。
そこで、
「新人がこの業務を学ぶ上で必要なことを洗い出してください」
という依頼を付け加えなければ、なかなか出てこない。

次に、洗い出した仕事を大・中・小項目に整理していくのだが、
これまたウンザリするほど時間がかかる。
例えば、「項目」なのに「文章」になってしまうことだ。
文章だと、どんな仕事をしているのかが明確にはならないのだ。
また、一つの大・中・小は当然つながっていなければならないのに、
関係のない項目が紛れ込んだりする。
さらに、小項目ばかりがどんどん増えていってしまうといったこともある。
小項目は具体的な内容が多くなるので書きやすいということもあるが、
中項目の分類ができないためにそうなってしまう。
そんなこんなで、時間がやたらとかかるのだ。
「仕事の棚卸」をもとに作る「業務・作業分類表」は、
1回で終了するわけはなく、マニュアル作成中にも何度も修正することになる。
しかし、最終版は本当に見事に整然とした一覧表ができる。
本当の意味で、「仕事の棚卸」の完成である。

「なるほど、自分がやっている仕事を整理するとこういうことか」と、
あらためて気づいたり、
「もっと早くこういうものがあったら良かったのに……」といったボヤキ?が出たりする。
いずれにせよ、この「仕事の棚卸」からマニュアルづくりが始まり、
原稿作成につながっていくのである。

仕事の棚卸は「○○業務を新人に早く習得してもらう」ことが目的の一つであるが、
自分はどんな仕事をどのようにしているのかをあらためて振り返る「自分の仕事の棚卸」でもある。
他のメンバーとのやり方の違いやメンバーからの指摘・アドバイスなども、
自分の仕事を見直す良い意味でのきっかけになったりもする。
マニュアルづくりは、自分のこれまでの仕事を見つめ直す良い機会である。

「今回のマニュアルづくりで、自分のやり方やうちの部門の問題がはっきりしてきました」とは、
作成メンバーの感想である。
そう、マニュアルづくりは色々な問題を浮かび上がらせる、“罪な奴”なのである。

傲慢だとは思うが、マニュアル屋さんはこう考えている。
「マニュアルづくりを通して、自己の棚卸をし、次の成長のステップにつなげてほしい」と。
そんな思いを胸に、日々マニュアル作成メンバーと真摯に向き合っている。

あーぁ、毎日ホントにシンド!

2018.01.25<No.231>