株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

研修とマニュアル

Posted on 6月 - 09 - 2016

企業研修の講師と話をした時のことである。

「研修は、どうしても言いっぱなしになる。
その点、マニュアルは形になるから、繰り返し使えていいよなー」
「確かに、繰り返し使えるというのは、マニュアルの強みだね」

この独り言にも書いたが、視点や立場の違いによって、
そのモノやコトの意味・価値が変わってくる。
研修講師の立場から見れば、研修で理解した、学んだことの実践は、現場である。
その現場で実践するためには、何かツールがあった方が実践しやすいし、上手くいきやすい。
マニュアルは、その実践ツールとして、非常に効果的だというわけである。
もちろん、研修のテーマによって一概にそうだとは言えないが、
業務スキル系(作業や操作のやり方など)であれば、マニュアルと連動しやすい。
マネジメントやリーダーシップといったヒューマンスキル系の研修でも、
何かしらのツールがあった方が実践しやすいと思う。

例えば、「部下育成」のテーマなどは、研修でロープレ実習を組み込むことはできるが、
研修後に「習得したことをもとに、現場で実践しなさい」と言われても、
なかなか“実践できない”のが実状である。
その企業が、部下指導マニュアルやチェックシートなどを持っていない限り、
研修はどうしても「考え方」中心にならざるを得ない。
その点、そうしたマニュアル類があれば、現場での実践指示が具体的にできる。
また、マニュアルと連動した研修は、研修プログラムも組みやすい。

マニュアル屋さんも、「店長マニュアル」を基にした、管理者研修を以前やったことがある。
事前にマニュアルを読んできてもらい、それを踏まえて、
さらに多くの具体例や演習問題などをどんどん入れることによって、
「店長マニュアル」の深掘り、理解の促進につなげる。
現場での実践指示も、指導要領とチェックシートの活用で進捗管理ができ、
研修と現場実践との相乗効果が図れたと、非常に好評であった。

先の講師としては、いくら熱弁を振るっても
現場で実践してもらわなければ、成果はあがらない。
また、その現場をなかなか見ることができない現実にも、
もどかしさと多少のイライラ感を覚えてしまうということだろう。
ところが、マニュアルはその“現場”が主戦場になる。
“現場”に何度も足を運び、取材や打ち合わせをしつこく繰り返さなければ、
マニュアルは完成しない。
まさに、「現場」ありき、現場から始まるのが、マニュアルづくりなのだ。
「研修」は、一回で終わることが多いが、「マニュアル」は常にそばにあり、
繰り返し活用される機会も多い。“形”が持つ、強みとでも言おうか。

しかし、研修講師は、「先生」と呼ばれて多少の尊敬を得られるが、
こちらは、「おーい、マニュアル屋ー」と呼び捨てにされる……ことも、たまにはあるのだ。
「いいよなー。先生、先生と呼ばれて……」
幾ばくかの嫉妬と羨望が入り混じる。
先の講師より、マニュアル屋さんの方がよっぽど物知りだと思うが……
(こんなことで、いじけてどうする!)

「隣りの芝生は、よく見える」
立場が違えば、見える価値もまた違う。
マニュアル屋さん、今日も元気で、現場に取材に行ってきまーす!

あーぁ、毎日ホントにシンド!

2016.06.09<No.192>