株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

毎日が勉強

Posted on 1月 - 29 - 2015

マニュアルの研修や講演では、クライアントのリクエストに沿って、
プログラムや内容を組み立てる。
ギャラをもらってやるのだから、当たり前である。
しかし、ときに「えっ、そこまではちょっと……」といった注文もある。

「今回の一番のポイントは、人材育成です。そこのところをよろしくお願いします」
と社長さんに頭を下げられた。
気持ちはわかるが、マニュアル屋さんは、マニュアルを作り活用を指導するのが、仕事だ。
もちろん、作成・活用のプロセスを通して、ロジカル・ライティングや情報整理力、
はては表現力なんぞが鍛えられることは事実である。
が、それはメインではない。あくまでも、「マニュアル」を通してのそれである。
成果や評価が、マニュアルの完成ではなく人材育成だとしたら、
マニュアル屋さんではなく、「人材育成屋さん」になってしまう。

「マニュアルで、リーダーシップが鍛えられます!」
「コミュニケーション力を、マニュアルづくりで強化します!」
こんなコピーは掲げていないし、そんなプログラムもない。
こうしたリクエストに対しては、
「私はマニュアルの専門家であって、人材育成のそれではありません」
と丁寧なお断りを入れている。
実は、ヒューマンスキル系の教育研修も手がけているのでできないことはないのだが、
“マニュアルづくり”といわゆる“研修”とは区別している。
そうしないと、成果が曖昧になる。
アプローチが違うのだから、進め方もまったく異なる。
しかし、これをきっかけに、プログラムにヒューマンスキル系の内容を意識的に取り入れてみた。
そうしたら、「非常に勉強になった」と作成メンバーから好評価をいただいた。
何でもやってみるものである。

また、こんなリクエストもある。
「マニュアルに対する偏見をなくさせてほしい」
「マニュアルの成果をはっきりと示してほしい」
ある意味、至極もっともな要望ではある。
が、それを管理者に説明する場合と一般社員にする場合では、話す内容が当然違う。
片や会社の業績や業務の効率化・コストダウンにとってどうかであり、
片や自分の成長にどう結びつくのか、役立つのかということになる。
相手・対象が変われば、話す内容も変わる。当たり前である。
ところが、恥ずかしながら数年前まで管理者向けのプログラムしか持ち合わせていなかった。
言い訳めくが、それまではほとんど経営幹部向けばかりだったから、
一般社員向けのそれを用意していなかったのである。
早速、プログラムを作った。
マニュアル屋さんにとって、これはありがたいリクエストだった。

正直、リクエストが多いとやりづらい。
でも、一時的にはムッとしても、心をなだめてチャレンジすることで、
新しい方法論が見つかったりする。
だから、リクエストには謙虚に耳を傾け、極力反映しようと決めている。
そこには色んな気づきや驚きがある。毎日が発見、勉強の連続である。
今、これが大きな楽しみになっている。
余裕を持って受け入れられるだけのキャリアを積んできたことの証でもある、
とマニュアル屋さんは勝手にそう理解している。

社員に言われた。
「キャリアを積むのもいいんですけど、ボケだすのはカンベンしてください」
「何それ?」
「独り言、2回続けて同じようなタイトルと中身になっていますよ」
「えっ、ホンと! それ、先に言ってよー」
「いっそ、ボケ老人のたわ言に変えたらどうですか?」
「……すんません……」
言いかけて、立ち止まったりすることは、たま~にあるが、まだまだ現役!
気合は十分、体力もそれなり。記憶力と持続力は、……多少、不安……。
あぁー、毎日ホンとシンド!

2015.01.29<No.159>