株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

業務改善

Posted on 2月 - 28 - 2019

働き方改革が声高に叫ばれて以来、
これまで以上に「業務改善」にスポットが当たっているように思う。
「業務改善をうまく進めたいのだが……」
といった相談がマニュアル屋さんのところにもよくくるようになった。
そんなとき、
「マニュアルは業務改善の強力な武器である」
と自説をとうとうと展開するのだが、もう一つ反応が鈍い。
これはどうしたものかと、いろいろ聞いていくと、
どうも「業務改善キャンペーン」や「改善提案制度」といったものを
イメージしているらしい。
確かに、
「よし、業務改善を進めるぞ! まずは、マニュアルを作ろう!」
とはなかなかなりにくい。

業務改善の取り組み成功事例といえば、
流通・サービス業界などで多く採用されている「提案制度」がある。
全社員から現場で気づいたことを提案してもらい、
採用されると何がしかのインセンティブ(金品など)が与えられるという仕組み。
これは、それなりに大きな成果を上げている。
だから、このやり方を自分のところにうまく導入できないか、と考えるのも道理である。

この仕組みを取り入れることに、マニュアル屋さんも賛成である。
むしろ、どんどん取り入れた方がよいとさえ思っている。
実際に現場で作業やサービスを実践している人が気づくこと、
特に、お客様のニーズや要望を収集する仕組みの存在は、非常に重要である。

問題は、採用した「改善提案」のその後である。
一般的には、
「〇〇作業を△△のように変更します。その方法は……」
といった本部通達文書として、全店全事業所に通知する。
これはこれで良いのだが、通達が多いと受け取る現場ではその対応が大変になる。
ある会社のお店では、本部通達の重要な作業の変更や昼食メニューの変更、
人事への届け出シートの変更などが一つのファイルに入っていた。
まさに、“ごった煮”状態で「保管」されていたのである。
これでは、何がどう変更になったのか、
時間と共に誰にもわからないことになってしまう。
特に、新人の教育場面では不都合が起こる。
通達を1枚1枚読むわけにもいかず、また、モレやヌケも起きやすい。
結局、伝わらない結果になってしまう。非常に“もったいない”ことである。
「そういえば、そんな変更もあったなぁー」
で終わってしまうこともしばしばである。

このような状況にさせないためには、どうするか。
インフラとしての、「マニュアル」の整備である。
この土台ができていれば、さまざまな改善改良がたくさん出ても、対応できる。
改訂版の発行である。改訂版を作成することで、
改善改良の内容が失われることなく、しっかりと新人にも伝えられる。

以前お手伝いをした会社では、緊急性のあるものはまず号外として全社に通達する。
その後、定期的な改訂時に「改訂版」に組み込む。
もちろん、それほど緊急性のないものは、
はじめから通常の改訂版に載せるという方法である。
そして、現場にある「通達」は、ある期限を設けて破棄させる。
この仕組みによって、現場での混乱もなく“変更”が徹底されたのである。

「業務改善」を長く続く活動として定着させるためには、
「マニュアル」を土台にした仕組みがベストである。
これに、キャンペーンや提案制度を組み合わせることによって、さらに大きな成果が出る。
「業務改善」を、一過性のアイデア頼みにするのではなく、
「活動・仕組み」にするためにも、「マニュアル」の役割は非常に大きいと思う。

2019.02.28<No.257>