株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

改訂がもたらす成果

Posted on 7月 - 09 - 2015

マニュアルが完成したら、次に「活用」の段階に移る。
「活用」は、マニュアルを使用した勉強会を実施して、その内容を習得する。
つまり、活用=教育である。
と同時に、活用を通して気づいたことや改善点などの収集も
大きな目的の一つである。

「作成」の段階では、その会社のハイパフォーマーたちを取材したり、
実際に書いてもらったりするわけだが、それだけで十分だとは言えない。
会社の中には、まだまだ貴重なノウハウや知恵が眠っている、埋もれている。
それらを掘り起こす、拾い上げるのは、マニュアル、特に初版の重要な役割である。

全員が厳守すべき「会社の基準」としてマニュアルが導入されると、
現場では様々な反応が起こり、意見が飛び交う。
「この方法より、もっと良いやり方がある」
「高さが10cmとあるけど、20cmぐらいの方が作業しやすい」
「この注意点やポイントもプラスした方が良いのでは?」
「こんな内容もあった方が助かる」
などなど。もちろん、否定的な意見も出てくるが……。
マニュアルの頁数や完成度にもよるが、
1テーマのマニュアルで100前後こうした声・意見があがることが多い。
ある会社で、一人10個以上は修正点を挙げなさいと強制的な指示を出したら、
何と1000個近くの意見が集まった。
同じような意見や指摘も確かにあるが、
マニュアルをしっかり活用しなければ、こんなにも出てこない。
これはスゴイことだと思う。
“やらされ感”を持つ人もいるだろう。
しかし、真剣に「マニュアル」と向き合うことで、そこから得るものは多い。
これまでの自分のやり方を振り返る、こんなやり方もあったのかという気づき、
基本をないがしろにしていたという反省など、決して無駄にはならないはずだ。

改訂にあたっては、集まった意見を一つひとつ検討する。
採用するものと却下するものとにまず分ける。
次に、修正で対応できるもの、追加する必要があるもの、
新しく項目として立ち上げなければならないものに分けていく。
この作業に立ち会っているといつも思うのだが、
ホントに細かいことによく気がつくと感心する。
「○○の行動が抜けていました」といったような事柄から始まり、
なるほどなぁと思う新しい項目の提案、
経営に直結するような斬新な提案まで、まさに宝の山である。
こうした地道な作業を経て、改訂版を発行する。
このプロセスを経た「マニュアル」こそが、
実は会社にとっての初版とも言うべきものである。
会社全体で検証されたものだから、すこぶるその価値は高い。
あとは、これを定期的に繰り返していけば良い。

「マニュアルが更新され続ける限り、会社の成長は止まらない」
(松井忠三著『無印良品は、仕組みが9割』より)

本当にそうである。成果をあげるには、改訂し続けることだ。
「マニュアルは、タタキ台である」
「マニュアルは、問題を顕在化させる」
埋もれているノウハウや見逃されていたことを、
マニュアルはその俎上に載せる。
それは、会社(の業務)を豊かにする。
しかし、何よりも重要なことは、
マニュアル作成委員会という一部の代表選手たちから、
会社全体に拡げることで統一感をつくり出す。
何か気づいたことがあったら、提案して「マニュアル」に反映させていく、
もっと良い「マニュアル=会社の基準」をみんなで作っていこうという
文化・風土づくりに貢献することである。これが大きい。
別な言い方をすれば、改訂を重ねることができるかどうかが、
会社の力量である。それが問われている。

先の会社での「マニュアル活用報告会」では、最後に社長がこう宣言した。
「これからも必ず続けていきます!」

改訂版、出せば出すほど味(成果)が出る

マニュアル屋さんは、自信を持ってこう答えている。

2015.07.09<No.170>