株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

型(形)から入る

Posted on 2月 - 13 - 2020

「型があるから、型破り。型がなければ、それは形無し」(18代目 中村勘三郎)
彼は徹底的に型を習得し、弟子に対しても徹底的に基本(型)を叩き込んだという。

かなり前になるが、この言葉に出会ったときには、本当に意を強くした。
言うまでもなく、マニュアルは、基本となる型(形)を習得する上で、
最も効果的なツールである。
「初めに、型(形)ありき」
色々な勉強会などで、こう力説している。

そんなわけで、マニュアル屋さんは何でも型(形)から入る。
癖になっている、といってよいだろう。
以前、初めて山に登った時も、まず、形から入った。
具体的には、服装や持ち物の準備に時間とお金をかけた。
同行してもらう、その道のベテランに付き合ってもらい、
スポーツ用品店でひと通り買い揃えた。
次に、「登山-入門編」なる本を読んだ。
これも、荷物の持ち方、歩き方、食事の仕方などなど、
基本中の基本を中心にしっかり反復練習をした。
つまり、イメージトレーニングをしたわけである。
おかげで、初登山は無事成功し、
これに気をよくして、また登ろうと思っている次第である。

「型に縛られて、窮屈ではないですか?」
「もっと自由に肩の力を抜いてみては?」
などと、ある人に言われた。
確かに、そんなときもあるが、
型(形)が見えない、イメージできないとすごく不安になるのである。
だから、取りあえずやってみるということに、ちょっと臆病だと自分でも思う。
これでは、新しい冒険に踏み出す、なんてことは、なかなかできない。
そう考えると、ちょっとさみしい気もするが……。

先の山登りでも、景色がどうだったのかといったことは、実はあまり記憶にない。
それよりも、靴下をもう1枚はいていた方が良かった、
もう少し厚めのズボンにした方が良かった、
などといったことばかりが頭に残っている。

しかし、型(形)という基本を習得したら、もっと余裕をもって事に臨める。
基本という土台ができたら、
その上に自分らしさ、個性を発揮させることができるのだ。
景色をゆっくり観る、のは次回以降になるだろう。

「最初はみんな足をやられたり、膝をがくがくさせるんですが、
マニュアル屋さんはそれがないですね」
と先の山登りのプロがほめてくれた。
実は、歩き方については、スポーツジムでしっかり練習していたのだ。

何事も、初めは「基本(型)」からである。

2020.02.13<No.280>