株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

効率化

Posted on 11月 - 13 - 2014

会社の大きな取り組みの一つに、「業務改善活動」というものがある。
テーマは、ほとんどが「効率化」である。
ムダやムラ、ムリをなくす、仕事のスピードアップ、生産性の向上など、
様々なサブタイトルがつく。
この取り組みは非常に良いように思えるが、
実際問題としてはある種のネガティブなイメージがつきまとう。
それは、人間性の軽視、置き去りといった言葉に代表される。
この「効率」の意味は、辞書的に言えば、
「仕事の能率。一定時間にできる仕事の量・割合。仕事のはかどり具合」である。
ここから、「仕事を早く進めるために、とにかくスピードを上げる」
「ムダなモノを徹底的に排除しろ」といった使われ方になる。
つまり、もっと良いモノをとか、お客様のために、といったことが
往々にして除外されてしまう傾向があるからだ。
戦後の「効率一辺倒」が今の日本をダメにしたといった説もあるくらいである。
だから、それなりの年代の人には、「効率」という言葉はあまり好まれない。
確かに、「効率」を狭い意味で捉えると、極論すれば、
「作業時間を短縮するためには、多少の犠牲やリスクがあっても……」
といったことにもなりかねないのである。

ところで、マニュアル屋さんは、
「マニュアルは業務効率化の強力なツール」などと話をしているのだが、
ある会社で「効率」をあまり強調しないでほしいという要望があった。
その理由は、先にあげたようなことである。
「何でもかんでも “効率” “効率” と叫んでいたら、人間関係がギスギスしてしまう」
「一見ムダなような仕事、時間がかかっても丁寧な仕事といったものが
どんどんなくなってしまう」 といった反発を受けるというのだ。
こういう会社に対しては、「人間味のある効率化」「人を活かす効率化」
という言葉を使って説明している。ホントにそう思うからだ。

「仕事の効率化」というと、すべての仕事が対象になっているように思われがちだが、
「効率化」が対象とする領域、つまり、成果があがるのは、基礎的な領域である。
この領域は、決められたことが、誰でも決められた通りにできることを求められる。
だから、これはどんどん「効率化」した方が良い。
これによって、会社のサービスや仕事の質がレベルアップする。
仕事には、レベル、幅がある。「何でも効率化」は問題だが、
必要な「効率化」というものはあるのだ。
この基礎・基本の領域に、マニュアルは威力を発揮する。
だから、「マニュアルは、業務効率化の強力なツール」になると言っている。

「仕事の効率化」に対するネガティブなイメージは、
一つには、過度の効率一辺倒という弊害と、
もう一つは、個性を重視するといった “きれいな” 言葉を使って、
我流、自分がやりやすい、いつもやっているやり方を続けたいという、
言い逃れからきていると思っている。
言葉は、よく吟味して使わなければならない。自戒を込めて、そう思う。

社員に言われた。
「マニュアル、もっと効率的につくれないですかねー」
「バカタレ、手間暇をかけることがいいんだ!」
「さっき言っていたことと、矛盾していません?」
「ん?……」
クチは災いのもと。気をつけよう、暗い夜道と効率化……?
あ~あ、毎日ホンとシンド!

2014.11.13<No.154>