株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

初期対応

Posted on 6月 - 14 - 2018

日本大学アメフット部による一連の騒動は、大きな社会問題としてメディアを賑わせた。
被害に遭われた関係者には申し訳ないが、すこぶる面白い見世物でもあった。
実は、知人に日大出身者がいたこともあって、連日このニュースの追っかけをしていたのである。

多くの識者が指摘しているのは、「初期対応」のまずさ、である。
日大には「危機管理学部」なるものがあるということだが、
そこのノウハウがまったく活かされなかったということになる。
「何も相談がなかった」と学部の教授は言っているらしいが、後の祭り、である。

「初期対応」と聞いてすぐ思い浮かぶのは、
「クレーム対応」「非常時対応」「リスクマネジメント」といった
会社の危機管理に関するマニュアルである。
これらのマニュアルで強調されているのは、「初期対応」の重要性であり、
事態を悪化させないために「迅速に対応する」ことを何よりも重視していることだ。
しかし、“言うは易く行うは難し”。
日頃から様々な状況を想定して訓練をしていないと、「いざっ!」というときにあたふたしてしまう。

「迅速に初期対応」といっても、単なる手順やテクニックではない。
最も重要なことは、経営理念を踏まえた判断基準が明確になっているかどうかだ。
例えば、「お客様の安全が第一」といったことを基本(ベース)に考えているかが問題になる。
そこから、対応の手順が決められていく。
そして、報告・連絡・相談や指示・命令の系統が、重要度・緊急度によって振り分けられる。
その場で勝手な判断でいきなり対応することは、
状況をさらに悪化させることにつながりかねない。
場合によっては、「経営」を揺るがす事態にもなってしまう。
だから、マニュアルには事細かく規定されることになる。

しかし、起こり得る状況をすべて想定することは不可能だから、
「判断の基準」、言葉を換えれば、会社の理念や価値観の徹底浸透が非常に重要になるのである。
また、災害や事故などによる被害を最小限に食い止めるためには、
一次被害は突発的なため防ぎようがないが、
二次被害はリーダーの冷静沈着な指示・行動で防ぐことが可能となる。
以上のような考え方で、この種のマニュアルは作られている。

翻って、今回の日大の対応である。
「日大の常識、ビジネス社会の非常識」と揶揄されても仕方がない。
いくら大学と会社という違いはあっても、である。
「社会の危機管理のエキスパートを育成する」のが危機管理学部の目的だそうだが、
学部を立ち上げるなら少なくとも足元を固めてからにしてもらいたいものだ。
おそらく日大は、この種のマニュアルは持っていないだろう。
作成のお手伝いを、と考えたが、「判断基準」を決めるのが至極難しい。
なんせ、相手は相撲部出身である。まともにやったら、勝ち目はない。
ここはすごすごと引き下がるしかないか……。

これから「危機管理」に関するマニュアルがきっと増えてくるだろう。
その中の事例で取り上げることにする。
なんか凄いマニュアルができそうな予感がしている。

あーぁ、毎日いろいろあってホントにオモシロイ!

2018.06.14<No.240>