株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

“具体的”ということ

Posted on 6月 - 26 - 2014

この独り言に何度か書いたが、マニュアルにおける“具体性”というものは、
非常に重要である。まさに、必須の検討事項と言える。
マニュアルの精度や評価は、どれだけ“具体的”に書かれているかで決まる、
といっても過言ではない。
この“具体的”という言葉だが、非常に便利な言葉であると思う。

曰く、
「もっと具体的に言えよ!」
「ぜんぜん、具体性がない!」
「具体的に説明すると・・・」
などなど、日常会話でもやたらと使われる。
国語辞典によれば、“具体的”とは、
「実際に確かめることができる形を備えているようす」
などと書いてあるが、“具体的”によくわからない。
しかし、日常会話や読み物などでこの言葉に出会っても、
何となく通じてしまう。何となく、わかる。

が、マニュアル作成上では、ちょっと困る。
たとえば、「ダイコンを切る」という表現は、
「野菜を切る」という表現より、“具体的”である。
しかし、このダイコンをどんな目的でどのように切るのか、
といった条件・要素を加味して考えると、非常にあいまいである。
つまり、“具体性”にはレベルがあるということだ。

では、マニュアルが求める“具体性”のレベルとは何か。
一言で言えば、「誰でも同じようにできる」レベルということになる。
そのためには、右手、左手、ミリ、秒の世界に落とし込んで考えなければならない。
そして、できる限り数値化する。もちろん、これとて限界がある。
だから、“できる限り”ということだ。ここに正解はない。
なぜ、このレベルがマニュアルに必要かといえば、
それによって、他との違いが見えてくるからである。
「ダイコンを厚めの輪切りにする」では違いが出ないが、
「ダイコンを厚さ20mmの輪切りにする」といったレベルにすると、
「いや、私は30mmで切っている」などといった意見が出やすくなる。
「それじゃあ、一番良いのは25mmに切るということにしよう」
といった改善や見通しもしやすい。
こうした追求が、「誰でも同じようにできる」というレベルを
作っていくことになるのである。
ただし、追求はホドホドに。し過ぎると、深みにはまる。
どこまでも行ってしまうので、ご注意を。

社員から突っ込みがはいった。
「“誰でも” をもっと具体的にしないとわかりませんよ」
「特に、新人さんだな」
「“新人” とひと口に言っても・・・」
「うるさい!!」
“具体性” の追求は、最後は得てしてケンカで終わる。
あぁー、毎日ホンとシンド!

2014.06.26<No.145>