株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

上達の極意

Posted on 2月 - 22 - 2018

ごくごく一握りの天才は別にして、
何かを上達するためには、それなりのステップというものがある。
「基本・応用・創造」がまさにそうだ。
一般的には、知識やスキルの習得ステップといった理解が多いと思うが、
これは上達のステップ、上達のための原理原則である。
耳慣れた言葉なのであまりインパクトはないかもしれないが、実は相当に深いのだ。

日本の武道・茶道などの世界では、
「守・破・離(シュハリ)」、守る、破る、離れる、という教えがある。
「守る」とは、基本の型をしっかりと身につけ守ること。
「破る」とは、基本の型を少しずつ破ること。
つまり、基本を踏まえてすこし応用動作を加えること。
そして、「離れる」とは、自分の個性を軸にして自分の型をつくること、といわれている。
このステップを踏むことが、もっとも上達が早いのだ。
特に、この「守る」のステップが重要で、
これがしっかり身についているかどうかが、次の「破る・離れる」を決めてしまう。
全体の8割から9割が「守る」に相当するともいわれている。

この「守る」のステップは「型の習得」が目的だから、
来る日も来る日も“同じこと”をやらされる、反復練習をさせられることになる。
すると、大概の人は嫌になる、早く違うことをしたくなる。
ところが、早く上達したいと思って「守る」のステップをそこそこにしてしまうと、
結果的に“ものにならない”で終わってしまうということだ。

この「守る」は、先に上げた「基本」である。
この「基本」に必要なことは、
「決められたことが決められた通りにできる」ということである。
つまり、決められた通りにできるまで、繰り返し練習することを意味している。
「基本」ができていないのに、“自分なりに創意工夫する”といったことに走ると、
「自己流・我流」に陥ってしまう。変なクセをつけてしまうことになる。

昨今、個性だとかオリジナリティといった言葉がもてはやされているが、
それは「離れる」のステップでも決して遅くはない。
いや、「基本」という土台がしっかりできていなければ、
それは虚しい願望で終わってしまう。
上達の極意とは、極めてシンプルである。
ただ、それを実践することは非常に難しい。相当な気力が必要である。
だからこその「極意」ともいえる。

「型があるから、型破り。型が無ければ、それは形無し」(18代目 中村勘三郎)

「型」を、極める。マニュアルという「型」を、これからもとことん追求していきたい。

ところで、「マニュアル勉強会」をしていると、すぐに書き出そうとする人がいる。
「わかったつもり」なのだろうが、実際に書かせてみると
「何を聞いていたんだ!」と怒り出したくなるような不出来が多い。
「わかったつもり」「できたつもり」、
この「つもり」の落とし穴が、上達する上での最大の障害だろうと思う。

マニュアル屋さんとしても、現実に謙虚に向き合って精進していきたい。
あらためてそう考えた次第である。

あーぁ、毎日ホントにシンド!

2018.02.22<No.233>