株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

ライターが育つ意味

Posted on 8月 - 13 - 2015

作成方法を指導する。
マニュアル屋さんとこの仕事の半分以上は、これである。
もちろん、初めから書き方を教えるのではなく、
「マニュアルの重要性と役割」「マニュアルをどう捉えるか」などといった
マニュアルを作成する上での基本的な考え方、
作成のスタンスといったことを教えてからだが……。

4つの基本要素の書き方、表記方法のルールなどを、
例題を使いながら指導する。
初めはなかなか上手く書けない作成メンバーも、
勉強会を重ねるごとに上達していく。
「皆さんの当たり前を疑うこと」
「もっと具体的に、行動レベルで……」
「何を、どのように確認するのかを、明確にしてください」
などと、檄を飛ばしながら進める。
せっかく苦労して書いた原稿に、容赦なく“赤”を入れる。
「だいぶ良くなりましたね」と喜ばせながら、
でも、付箋がいっぱい付いた原稿を1枚1枚戻していく。
ゲンナリした表情のメンバーたち。
マニュアル屋さんは、ホントにイヤな性格である。

こうした仕打ち?に耐えて、最後まで、完成まで何とかついてくる。
「しょうがない。業務命令で始めた仕事だから、
途中で投げ出すわけにはいかない」と腹をくくっているのか……。

マニュアルが完成し、活用が始まる。
そうすると、修正事項がドサっと出てくる。
マニュアルはタタキ台であるから、修正が出てくるのは当たり前。
これをもとに、今度は改訂版づくりに取りかかる。
この時、習得した作成スキルが、活きる。
「おかげさまで、何とか自分たちで改訂版を出せそうです。ありがとうございました」
マニュアル屋さん的には、嬉しいやら寂しいやら、複雑な気持ちである……。
しかし、これは喜ばしいことである。
数ヶ月かけて指導してきたことが、改訂版の作成で見事に活きるのである。
良い仕事ができたと、マニュアル屋さんは自己満足に浸る。

あとは、この作成・活用・改訂のサイクルを
どれだけ廻し続けることができるかだ。
作成メンバーもどんどん入れ替わる。
こうして、会社全体に「マニュアルライター」が生まれていく。
これは単に書き手が増えたということではない。
業務を見える化・標準化できるスキルを身につけた人材が育った、
ということである。
言葉を換えれば、問題意識や改善意識を持った人材を
会社全体で醸成していることになる。
つまり、業務改善活動を活性化させていくことにつながるのだ。

ある会社では、3人から始まったマニュアルづくりが、
今ではもう15人ほどの人間が携わるまでになった。
そして、自分たちで新しいマニュアルづくりに取り組んでいるとのこと。
会社のマニュアルがどんどん整備されてきている。
属人化したノウハウが、次々に“見える化”され始めている。
ホントに嬉しいことである。

マニュアル屋さんも、少しは世のため人のために役立っている。
そう、一人悦に入っている。

2015.08.13<No.172>