株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

視点の違い

Posted on 4月 - 28 - 2016

同じものを見ても、人によって感じ方・受け取り方が違う。
当たり前なのかもしれないが、面白いと思う。
先日、こんなことがあった。
ある企業でのマニュアル検討会でのことである。
今回は幹部も出席するということなので、
事前にマニュアルを渡して読んでもらっていた。

開始早々、幹部曰く、
「このマニュアルだけど、厚いから分冊にするか、
最初のマナーのところはハンドブックにした方がいいんじゃない」
「えっ、ハンドブックですか……」
突然の提案に、担当者がうろたえる。
「そうだよ。こんなに厚いと使いづらいだろう」
「いえ、まだ第一稿ですから、形態はこれからいろいろと……」
「ふーん、そう。まぁ、いろいろ考えて、使えるマニュアルにしてよね」
「はい、それはもう……」
「じゃぁ、頑張って。それじゃ、これで」
言いたいことを言って、幹部の方は慌ただしく退出していった。
しばし、沈黙が辺りを支配した。
担当者曰く、
「内容について、何も言わなかったですよね」
「ええ、まぁ……」とマニュアル屋さん。
「このまとめ方、すごく苦労したのに。
結構、よくできていると思うんだけどなぁ……」
「そうですね。よくまとまっていると思いますよ」
「ですよねー。読んでないのかな……。
しかし、ハンドブックか……そう来るかって感じですよ」

この幹部の対応が良い悪いということを、問題にしているのではない。
聞いていて、面白いと思ったのは、視点の違いである。
担当者としては、せっかく苦労してまとめたものを、まずは評価してほしい。
特に、苦心してまとめた箇所に気づいてほしい、といった思いがある。
一方、幹部としてはそんなことより、
お金をかけて作っているマニュアルを使ってもらうためにはどうするかに関心がある。
置き換えれば、作る側と使う側の違いとでも言えようか。
こうした立場の違いによるすれ違い、思いの違いは、よくあることでもある。
「お客様の立場に立って」 「お客様の視点で」
販売員教育などで強調されることだが、
販売員の立場からすれば、これがなかなか難しい。
「お客様のために」と思ってしたことが、押し付け・押し売りになったりする。
相手の立場、視点で考えることは、本当に難しいことだと思う。

社員から突っ込みが入った。
「独り言、読者のこと、あんまり考えてないでしょ」
「そんなことないよ。ちゃんと考えてるよ」
「ホントですかー」
「何だよ。何か文句あるのかー」
「ある人が言ってましたよ。勝手に理解しろっていう、わがままな文章だねって」
「えっ、……」

そりゃ、視点の違いだべさ。
きちんと読んでくれれば、読者に配慮しているのがわかるはず……だと思う。
視点というのは、本当に厄介なものである。当分、このことで悩みそう。

あーぁ、毎日ホントにシンド!

2016.04.28<No.189>