株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

マニュアル・ルネサンス

Posted on 7月 - 12 - 2018

「マニュアルの使い手も作り手も、使い方までもが変貌する『マニュアル・ルネサンス』」
日経MJの一面を飾ったこの記事を、読んだ人も多いのではないかと思う。
「動画マニュアル」
「VR(仮想現実感)を使ったマニュアル」
など、デジタルマニュアルの最新の動向を紹介している。
「紙から進化した」「わかりやすく使いやすい」といった言葉も随所に出てくる。
一昔前までは想像もできなかった作り方や使い方の登場だ。まさに、時代の変化を痛感する。
いずれにしても、「マニュアル」が新聞の一面で取り上げられることは、うれしいことだ。

思うに、ますます二極化するのではないか。
マニュアル先進企業VS昔ながらの“習うより慣れよ”派。
その企業の置かれた状況、トップの考え方にもよるが、
この構図が今後どのような変遷をたどるのか、楽しみである。

こうした時代の流れを認めつつも、マニュアル屋さんには少々気になることがある。
それは、マニュアルのツール(道具)としての進化に
フォーカスが当たり過ぎているのではないかということである。
「簡単に作れる」「使いやすくわかりやすい」「紙から進化させた(デジタル)マニュアル」などなど。
確かに、「マニュアル」は一つのツールではあるが、それだけではないと思っている。

マニュアル屋さんは、作成・活用・改訂のサイクルを回すことが、成果を最大化させると主張している。
つまり、「マニュアル」は終わりのない活動であり仕組みだと。
「マニュアル」を考える上で、業務改善・改良は絶対に外せない。
人材育成や業務の効率化、接客や作業スキルの向上などは、
誤解を恐れずに言えば、副次的なものである。
つまり、「モノ」としてのマニュアルの最も重要な機能は、「たたき台」としての役割だ。
そして、サイクルを回すことで、変化に対応し変化を取り入れる活動・仕組みになる。

「マニュアル・ルネサンス」は、ツールとしての側面だけに光が当たっている。
繰り返すが、これが間違っているということではない。
歴史を見ても、ツールや技術・設備などの発明・発見によって文化や産業は飛躍的に発展しているし、
その恩恵に預かっているのも事実である。それを否定する気はサラサラない。

一方、マニュアルはテクニックだけではない。
目の前の課題解決や成果にのみ比重がかけられていて、その先にあることをきちんと射程内に捉えているか、
それが少々不安なのである。
「レジ操作マニュアル」の精度を上げるという、ある意味一過性の成果に満足していないか。
それだけだと、「モッタイナイ!」とマニュアル屋さんは思う。
「マニュアルは、深い」
この言葉の意味をもっともっと深く考えてもらいたい、と心から願っている。

「ボケ老人のたわ言」みたいになってしまった。
でも、あせらず、くさらず、あきらめずにこれからも頑張っていきたい。
それにしても……
あーぁ、毎日ホントにシンド!

2018.07.12<No.242>