株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

マニュアルに慣れた新人

Posted on 4月 - 24 - 2018

ある調査によれば、「社会人になって驚いたこと」の一つに「仕事のマニュアルがなかった」が
選ばれたという。

さもありなん。おそらく学生時代にアルバイトをしたコンビニや居酒屋などでは、
仕事は「まずマニュアルで学ぶ」ことがはじめの一歩。
マニュアルは、あって当たり前。
それなのに、会社に入ったら「マニュアルがない!」。

「マニュアルがなくて、どうやって仕事をしていくんですか?」

これは彼らにとって「驚くべきこと」なのかもしれない。

片や、「そのうち慣れる」「見て覚えろ」といった「習うより慣れよ」で育ってきた先輩諸氏。
それなりの努力と様々な経験を通して、
「一人前」になってきた。仕事を覚えるために苦労をすることは、当たり前のことなのだ。
それなのに、である。

「マニュアルで簡単に覚えられたら、ムッとする」
「そんなのは覚えた内に入らない」

といたくご立腹である。

「苦労して覚えた方が、マニュアルより良く身につくと思いますよ」
「色んな経験がやっぱ大事ですから・・・」

マニュアルの作成指導をしていると、作成メンバーからよくこんな声が聞こえてくる。
確かに、それは一理ある。しかし、である。
マニュアルの未整備による弊害、リスクを考えると、そうもいってられないのだ。

例えば、新人にとっては、

□何を学べばよいのかわからない
□何が(どれが)良いやり方なのかわからない

ということで、たまたま付いた先輩の真似をすることになる。
その先輩が理想的な仕事の仕方をしていれば良いのだが、現実は・・・の場合が多い。
その結果、職場には自己流というバラバラなやり方が蔓延してしまう。
つまり、みんなが勝手なやり方で仕事をしている状況だ。

一方、先輩諸氏にとっても、

□何をどう教えればよいかわからない
□教えるのに手間や時間がかかる

といったことになり、結局面倒くさくなって「そのうち慣れる」で終わってしまう。

これは双方にとって、いや会社や職場にとって大きな問題である。
ミスやクレームなどが増大したり、生産性の低下、何より仕事のムダ・ムラ・ムリが
大量発生してしまうことになる。
これでは、昨今話題の「働き方改革」どころか「旧態依然の働き方」の継続以外のなにものでもない。
ただただ、疲れるだけである。

マニュアル屋さんは、これまで様々なノウハウや技をマニュアル化してきた。
あるベテランの人が、完成したマニュアルを見て、こう言った。

「これが新人の頃にあったら、自分はもっといい仕事ができた!」

マニュアルは、職場のスキルの底上げにつながる。
お互いに刺激し合うことで、さらにレベルアップする。

新社会人 VS 先輩

この構図は、マニュアルを介することで良い意味での競争風土を作ることにもなるだろう。

「マニュアルに慣れた新人」の登場は、職場に改革をもたらすまたとないチャンスの到来でもある。
そう前向きに捉えて、マニュアルの整備に積極的に取り組んでほしいと心から思っている。

2018.04.24<No.237>