株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

バイアス?

Posted on 6月 - 27 - 2019

あるお客様とお話した時のことである。
「マニュアルは、型にはめるからね。新入社員のマナーなんかはあった方が良いとは思うけど。
もっとみんな考えて仕事をしてほしいんだよ」
と、“マニュアル嫌悪感”オーラ全開で話をしてくれた。

「マニュアル=型にはめる=考えない」という、よくある、短絡した図式である。

彼のこれまでの「マニュアル」との何らかの関わりの中で培われた考えだと思うが、
非常にモッタイナイ。いや、ひょっとして、「関わって」いないのかもしれない。
一度でもそれなりにマニュアルを作成したり、
マニュアルを使って学習・指導を経験したのであれば、もっと別の感想を持つかもしれない。
いずれにせよ、「マニュアル」との不幸な出会いがあったのは確かだろう。
この出会いで思った、感じたことが、
その後の彼の「マニュアル」に対する意識を決定づけたということだ。

「バイアス」とは、考え方や意見に偏りを生じさせるもの、と定義されている。
つまり、大なり小なり、良くも悪くも、
みんな何らかの「バイアス」を持っているということだ。

最近、「アンコンシャスバイアス」という言葉が注目を集めている。
「無意識の偏見・思い込み・偏ったモノの見方」などといった意味である。
たとえば、「男(女)のくせに」とつい思ったり、
「事務的な仕事は、つい女性に頼んでしまう」といったことは、
自分がこれまでに経験してきたことによってつくられてきたもの。
だから、誰にでもあることであり、ゼロにすることは不可能だという。
そして、なぜ「無意識の思い込み」をするのかというと、
「自己防衛心」によるものだといわれている。
脳がストレスを回避するために、自分にとって都合の良い解釈をすることで起きる。
「自分は正しい」「失敗したくない」という意識が、
その反対の言葉で表現されたりするのである。

先のお客様の例でいくと、
「私は正しい」→「マニュアルは型にはめる」→「マニュアルは考えない人を作る」
という発言につながってしまうのだろう。
この「アンコンシャスバイアス」によって起こる様々な問題を解決するためには、
「自分にどんなバイアスがあるのかを意識し(させ)、それに対処していくことだ」という。
平たく言えば、「あなたは、○○というバイアスがかかっていますよ」
と言ってあげることもその一つなのでは。
だから、「マニュアル」に否定的な人に対しては、
「失礼ながら、あなたには『マニュアルは悪だ!』というバイアスがかかっていますよ」
と、これからはやさしく言ってあげようと思う。

社員から突っ込みが入った。
「決めつけたり、押しつけたりすることも、バイアスですって!」
「何を言いたいんだ!」
「マニュアル屋さん、決めつけ、押しつけの全面バイアスですよ!」
「……」
そんなに決めつけたかなー。いいんだもん、バイアスはみんな持っているんだから……。
この別名「開き直り」というバイアスが、マニュアル屋さんの持ち味?

あぁ、毎日ホントシンド!

2019.06.27<No.265>