株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

キャリアップとマニュアル

Posted on 12月 - 28 - 2017

今年最後の独り言である。
この一年も本当に様々な企業の様々なマニュアルづくりをお手伝いさせてもらった。
また、通信教育の教材づくりという初めての経験もすることができた。
この講座は、おかげさまでヒット商品になっているとのこと。
「申込者が少なかったらどうしよう」と心配していたことがなつかしく思い出される。
やれやれ、である。

今年特に印象深い仕事は、
マニュアルをベースにした「キャリアップの仕組み」づくり。
立て続けに3社ほどの仕組みづくりに関わった。
業種や規模などはまるで違うが、従業員の育成・戦力化はどこも同じといえる。
今も2社の仕組みづくりをお手伝いしている。

新人を早く一人前にするためには、それなりの教材(ツール)や仕組みが必要である。
新人は勝手に育ってくれない。
「習うより慣れよ!」では、時間がかかるし、
変な先輩について変なクセをつけられてはなお困る。
ここはやはり、「マニュアル」という会社の基準をしっかり学んで成長してもらいたい。
至極当然の結論である。
つまり、○○の仕事を覚えるツールからキャリアアップのためのツールとして、
「マニュアル」の役割や位置づけが変わってきている。
どんな仕事をマスターすれば昇格できるのかを示すことによって、
やる気を高め、定着化戦力化を図っていく。
そして、その仕事は、マニュアル化されている。
これは新人にとって「キャリアデザイン」が具体的に描きやすい。
達成する目標とその道筋が見えれば、安心できるし頑張れる。
ある仕事ができるようになるということは、一つのスキルを習得することである。
例えば、「見積書の作成」という仕事をマスターすれば、
「見積書が作成できる」というスキルを身につけたことになる。
昇格(成長)するためには、幾つのスキルを身につければ良いかが
具体的にわかるということだ。こうして多くのスキルを蓄積することは、
キャリアを積む上での武器にもなる。
また、採用段階でこれを示すことによって、
会社の姿勢・期待値がわかり、良い意味での選別もできる。

従来のいわゆる「昇格制度」と違うのは、抽象的な期待値の提示ではなく、
習得すべき具体的な仕事を明確にしているということである。
もちろん、分析力や判断力云々は「マニュアル」にはなりにくいが、
それは日常的な観察や面談でフォローすることになる。
それよりも、「○○の仕事を習得する」ことが昇格の基準の一つと明確にすることで、
人事評価にありがちな不平不満を軽減することにつながる。
これはすべての階層にあてはめることはできないが、検討に値する取組みだと思う。

こうした取組みが、同時期に発生したということがおもしろい。
別にそれほど営業したわけでもないのに、である。
人材採用難と言われる現代ではあるが、即戦力化を図るのではなく、
もう少し長い目で育てていく。
そのためには、キャリアを積んでいく仕組みが重要になってきているということだろう。
「マニュアルは、時代を写す鏡」であるとこれまで様々な機会に話してきたが、
これからは「時代を写す仕組み」にもなるといった方が良いのかもしれない。
「マニュアル」は、まだまだ活躍できるのである。
「マニュアル」に負けないよう、もっともっと精進していきたい。
これが新しい年に向けての、マニュアル屋さんの抱負である。

2017.12.28<No.229>