株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

ガチンコ勝負

Posted on 9月 - 24 - 2015

マニュアルに求められる“精度”とは、どんなレベルのことだろうか。
一言で言えば、それは「再現できるかどうか」だ。
マニュアルを読んでその通りにやったら、
期待する作業や行動がその通りにできたということである。
そのためには、作業(行動)分解がしっかりできているかどうかが、
出来上がりを左右する。
右手・左手、ミリ・秒のレベルにまで落とし込まれているかどうか、
それが決め手になる。
だから、もしその通りにできなかったら、
それはマニュアルが悪い、マニュアルの精度が低いということである。

「誰が読んでもわかる」 「誰がやってもできる」
というレベルにすることは、実はそう簡単にはできない。
しかし、マニュアルには、成果を上げるためには、これが必要なのだ。
ここで問題になるのは、
「このぐらいは、わかるはずだ」 「これは知っているだろう」
という思い込みである。
この“はずだ” “だろう”という言葉が出てきたら、要注意。
ホントにそうなのかと、皆で検討することが必要になる。
ここにパワーをかけるかどうかが、
マニュアルの精度を決めるといっても過言ではない。

以前、こんなことがあった。
「これは5秒で終わる簡単な作業ですよ」
「大丈夫です。すぐできますから……」
そう担当者に力説されて、「そんなものか」と流したら、これがどっこい違った。
確かに、慣れれば、要領やコツを覚えれば、「5秒」で終わる作業だと思う。
しかし、この「5秒」を習得するためには、
数時間の“経験と失敗”が必要なのだ。人によっては、さらにこの時間は変わる。
このことがわかったのは、マニュアルを現場に導入したあと。
何か気づいた点や修正事項を提案してほしいという依頼の中で出てきた。
言うまでもなく、マニュアル作成者はベテランの人たちである。
彼らの「当たり前」という穴に、マニュアル屋さんも落ちてしまったのである。
反省しきりであった。

マニュアルの精度を保証するのは、
作成担当者とマニュアル屋さんとのガチンコ勝負。
嫌がられても、聞くことは聞く。曖昧なままにしない。
この“しつこさと粘り”が、マニュアル屋には必須であることを、
あらためて思い知らされた1件である。

社員に言われた。
「なんか僕たち、嫌われ役ですよね」
「まぁ、仕事柄しょうがないな」
「あら探しをしているみたいだし……」
「わかってくれてる人がいるから、そう心配するな」
「結局、能天気というか超楽天的でないと務まりませんよね」
「ん?……」
確かに、ノミの心臓ならやってはいけない。
しかし、マニュアル屋さんの心臓には、断じて毛は生えていなーい!

あーぁ、毎日ホントにシンド!

2015.09.24<No.175>