株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

わかりやすさ

Posted on 7月 - 23 - 2020

「わかりやすさ」
雑誌や資料などにこの言葉が載っていると、その箇所で目線が度々止まってしまう。
非常に気にかかる言葉である。
「マニュアル」という仕事に携わっているから、商売柄だとは思うが……。
この言葉には神経質になってしまうのだ。

「わかりやすさ」とは何か。
辞書的には、「内容や意図などがすぐに理解できる(把握できる)さま」とある。
これは言うまでもなく、相手の理解力によって変わる、ということだ。
Aさんには「わかりやすかった」が、Bさんには「わかりにくかった」ということが起こる。
つまり、厳密に言えば、万人に通用する「わかりやすさ」はないということだ。

そうすると、理解力の幅を狭める、たとえば、読者層を明確にすることで、
「理解」のばらつきをある程度押さえることができるということになる。
この対象の明確化は、「わかりやすさ」を考える上で、非常に重要である。
誰にとっての「わかりやすさ」なのかが、問題になるわけだ。

以前、拙著の編集者から、「読者にとってのわかりやすさ」という指摘を
何度か受けたことがあった。
この「わかりやすさ」の中には、状況や内容をデフォルメすることも含まれている。
平たく言えば、話を「盛る」ことだ。
たとえば、「一般的に、大人の82%は……」というより、
「大人の9割は……」と言う方が、インパクトもあるし、理解しやすい。
その数値が科学的に厳密さを求められないものなら、という前提ではあるが。
「わかりやすさ」=「話を盛る」ことではないが、
「わかりやすく」するために「話を盛る」ことが多いということである。

「わかりやすくする」ための条件を整理すれば、
① 対象を明確にする
② 対象者に合わせて、話を盛る
③ 曖昧な表現を少なくする
④ 数値化を多用する
⑤ 重複を避ける
⑥ デフォルメの表現を効果的に使う
といったことが挙げられるだろうか。

この「わかりやすさ」は、表現者にとって、
そして、マニュアル屋さんにとって永遠の課題である。

なぜ、こんなことを大上段に持ち出したかというと、
編集者から「より読みやすく、わかりやすくする」ために、
という叱咤激励を毎日受けているからである。
日頃はマニュアル作成メンバーに「もっとわかりやすく書いてください」と
偉そうに檄を飛ばしているが、自分のことになるとからきし弱い。
トホホ、である。

あーぁ、毎日ホントにシンド!

2020.07.23<No.284>