株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

もう一歩踏み込む

Posted on 2月 - 12 - 2015

「自分の当たり前を疑い、具体性を追求する」
このことがマニュアルづくりには非常に重要である、と口を酸っぱくして話している。
言われていることはわかるのだが……と、これがなかなかできない。
これまで、まさに“当たり前”にしてきたことを、“疑え”というのだから、無理もない。

自分では無理なので、その仕事を知らない他部門の人にチェックしてもらう、
あるいは自宅に持ち帰って奥様や子どもさんに見てもらうなど、
涙ぐましい努力をしている人たちもいる。
それほど、“疑う”ことは難しいことでもある。
無意識の行動、習慣化している行動を、“疑う”ためには立ち止まって考えなければならない。
そして、視点を変えて、自分の行動を見つめ直すという作業をすることになる。
言うは易し……である。

では、視点が変わらなければ、期待するマニュアルは作れないのか。
いやいや、決してそんなことはない。
そこに登場するのが、「フォーマット」である。
マニュアル屋さんとこが開発した「フォーマット」は、
自分の行動を“疑い”やすくさせるスグレモノ。
フォーマットのひとつひとつの要素、
例えば、目的、達成基準、ステップ、作業手順……を埋めていく中で、
自然に具体性が追求できるようになっているのだ。
もちろん、一発でOKというわけにはいかないが、チェックを何度か繰り返すことで、
「自分の当たり前を疑い、具体性を追求する」ことに限りなく近づいていく。
だから、「もう一歩ですね」といった意見を添えて、作成者に戻すことが多い。
もう一歩踏み込んで、具体的にしてほしいということである。

「何気なくやっていたことが、こんなふうにマニュアルになるんですね」
とは、作成者の弁である。
こうした声を聞くと、本当に良かった、まさにマニュアル屋さん冥利に尽きる。
もう一歩踏み込むことで、新しい発見や気づきが生まれる。
これこそが、マニュアルづくりのもう一つの成果と言えるであろう。

社員に言われた。
「もう一歩も二歩も、やってもらわなければ困るんですけど……」
「ん? 何言ってるんだ?」
「まだ、目標未達ですけど……」
「……すんません……」
現実はなかなか厳しい。一歩を踏み外さないように気をつけねば。
暗い夜道と最初の一歩、どちらも多少の勇気が必要だ。
頑張らなくっちゃ。

2015.02.12<No.160>