株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

ありのままで

Posted on 12月 - 24 - 2014

いつもやっている仕事を、「マニュアル」にする。
「君が今やっていることを、チョチョッと書いてくれないか」
「文章書くの、あまり上手くないですけど……」
「大丈夫だよ。箇条書きでポイントをまとめてくれればいいから」
何が大丈夫なのかわからないが、多くはこんな形で「マニュアル」書きを依頼される。
言うのは簡単だが、これがなかなか難しい。

何でもそうだと思うが、普段何気なくやっていることについて、
「なぜその仕事は必要なんですか?」
「どのようにやっていますか?」
などと聞かれても、返答に窮することが多いと思う。
いつもやっていることだから、あまり深く考えていない。
そりゃ、そうだ。
経験という時間の中で、自然に身体が覚えた、身につけたことを、
「なぜ?」とあらためて聞かれても困ってしまう。
さらにそれを、誰にでもできるようにわかりやすく整理してほしい、
「マニュアル」という形に落とし込んでほしいというリクエストは、
大きなプレッシャー、ストレスになる。
実際、マニュアル作成担当者になって、痩せたとか、円形脱毛症になった、
という事例もあるぐらいだ。……めったにないけど……。

「マニュアル」作成には、論理的思考が必要である。
①の次は、②に進むというように、
それもできるだけシンプルに整理して書くことが求められる。
もちろん、全部が全部そうではないが……。
「①の次は②だけど、相手によっては③や⑤⑥の時もある」では
どうしたら良いかわからない。
現実の仕事は往々にしてこうだと思うが、
「マニュアル」にするためには、基本となる骨格を作ることが必要になる。
だから、今やっていることをまず “見える化” すること、
それを土台にして検討を重ねていくことになるのだ。

「このマニュアルのフォーマットに、今やっていることを書いてください」
そうすると、ズラズラと長文で抽象的な言葉で埋め尽くされた原稿があがる。
読み手に理解してもらうためには、“ありのままで”は困る。
誰でもできるように、整理しなければならない。
しかし、今やっている仕事を、“ありのままに”見える化することが、
大事な初めの一歩である。
「えーと、最初に右手で持って、次に……」といったように、
順序立てて整理していく。すると、途中で多くは嫌になる。
「こんなことしなくても、2~3回やれば誰でもすぐできますよ」という言葉が出る。
「いや、ダメです。そこを深く掘り下げてください」と注文をつける。
こうしたやり取りを繰り返しながら、徐々に作業(行動)が分解されて、
具体的な手順などに整理されてくる。
しかし、ここまで来る道のりは、結構長い。

「マニュアル」づくりは、今やっていることの見える化から始まり、
検討、検証を経て、基準としてのマニュアルになる。
“ありのままで~”は良くないが、“ありのままに~”は必要である。
すこ~しも、ムダじゃないわ~なのである。

社員から突っ込みが入った。
「ダジャレが多すぎません?」
「まぁ、それ、何というか……」
「いい年をして、世間に媚びるのって、みっともないですよ」
「……シュン……」
あぁー、毎日ホンとシンド!

2014.12.24<No.157>