株式会社クオーレ

マニュアルの作成・活用・改訂

「形(型)」にこだわる

Posted on 1月 - 26 - 2017

少し前になるが、新聞にこんな記事が載っていた。
サッカーの元日本代表監督の岡田氏が、スペインの強豪クラブ・バルセロナの
メソッド(指導方法)部門の責任者と話をした時のことである。
「スペインには、サッカーのプレーモデル(形)があり、
それを16歳までに教え込む」という。
それを聞いた岡田氏、
「あれだけ自由奔放にやっているスペインに、“形”がある」
ということに驚いたとのこと。
そして、「日本は逆だ。小さい頃は自由に楽しんで、
大きくなってから戦術(形)を教える」。

この記事を読んだ時、ちょっと意外な気がした。
自由奔放なスペインに「形」があるということもそうだが、
それよりも、そもそも他のスポーツには皆「形」があるのに
「なぜサッカーにはないのか」、という素朴な疑問である。
剣道、柔道などは言うに及ばず、野球、卓球などもすべて「形」から入る。
「形(型)」を徹底的に身につけることから始めるのだ。
言葉を換えれば、「基本」の反復練習が入門者の必須条件であるといえる。

この独り言でも以前書いたが、武道、茶道、芸術、スポーツなどで、
何かを習得する極意は、「守・破・離」と呼ばれている。
詳細は省くが、平たく言えば、「基本・応用・創造(個性の発揮)」である。
そして、これは習得のステップである。
しっかり「守」ができなければ、「破」や、ましてや「離」には進めない。
ところが、「守」はある意味単調な動作や行動の繰り返しだから、
すぐにある程度はできてしまう。
そうすると、早く自分の形(型)を作りたいと、「離」に走ってしまう。
一流と三流の差は、このステップの踏み具合でもある。
つまり、三流は「できたつもり」になっているということだ。

この上達の極意が、サッカーには、ない。
「はて、面妖な。ホントか!」と突っ込みを入れたくなるが、
岡田氏が言うのだから、本当なのだろう。
彼はこのメソッドを取り入れたクラブ運営に取り組んでいるとのこと。
これからが楽しみである。

翻って、ビジネス現場での「育成」はどうか。
育成の最強のツールである「マニュアル=基本」は、どう捉えられているのか。
相も変わらずカビの生えた古臭いマニュアル観が、大手を振って走り回っている。
成果が見えない人に向かって、
「アイツ、ほんとにセンスないよなぁ」で切り捨てているのが現実である。
センスは、形(型)という基本、土台の上に光り輝くものである。
その基本をしっかり教え込まずに、「センス」を要求する。土台無理な話である。

先日、カビの生えたマニュアルの捉え方をしている経営者と話をする機会があった。
マニュアル屋さんの説明を聞いて、「なるほど、そうなんだー」と言いながら、
納得していないのが顔に出ている。
いや、実感としてわからないといった方が正解だろう。固定観念とは、げに恐ろしい。
こうしたマニュアルに対する先入観、誤解・偏見と
これからも粘り強く闘っていかなければならない。身体がガタつくまで。

あーぁ、毎日ホントにシンド!

2017.01.26<No.207>